衣類はホコリやススなどによって、自然に全体が汚れていきますが、特定の原因や突発的なトラブルによってシミが付くことがあります。

衣類全体を漬け込んで洗う家庭洗濯やクリーニングでも、基本的には全体の汚れ(汚染)を取り除くことを目的としています。しかしシミは、醤油や口紅など特定の物が付着しているものなので、それぞれの成分に対応した処置が必要になります。つまり、日常生活によって衣類が全体的に汚染される「汚れ」と特定の原因によって付着する「シミ」とは区別することがお手入れの基本になるといえるでしょう。

●水溶性のシミと油溶性のシミ

油が水に溶けないように、シミの原因には異質な水と油の性質があります。例えば清涼飲料水やジュース類のシミは、水を主成分としていますから水に溶けやすい成分ということになります。これを水溶性のシミと言います。また、肉料理など油を含むものは、油に溶けやすい性質があり、そのシミは油溶性のシミということになります。

●実際には複合し変質したシミがほとんど

例えば、お刺身を食べたときの醤油のシミといっても、醤油だけが付く事はまずありません。魚の油やタンパク質、ワサビのタンニンなどが複雑に混じっています。また、放置しておくと酸化して変質したり、繊維に浸透して固着したりします。シミは、なるべく早く処理することが最善の対処方法だと言えます。