ドライクリーニングを最初に始めたのは、1825年のパリ、サンマルタンで開業したジョリーというテーラーであったとされています。

◎ランプオイルが油汚れを落としました

ジョリーさんは当時洗えないとされていたフロックコートを丸洗いすることに悩んでいました。そんなある時、油汚れのしみ込じんだテーブルクロスにランプを倒してしまったところ、こぼれたランプオイルの部分だけが、風合いが変わることなく汚れが消えていたのです。

◎揮発油は繊維を変形させることなく洗えます

天然繊維を水で洗おうとすると、繊維は水分を吸収して縮んでしまったり、生地の表面が乱れて風合いが変わってしまったりします。ところが、揮発油は繊維に吸収されず、デザインに影響を与えることなく洗うことができます。その後、パリ万博で発表されると、急速に世界に広まり、ファッションの大衆化に大いに貢献することになったということです。